近年、人と動物(ペット)との間に感染を起こす病気、いわゆる人畜共通感染症(ズーノーシス)が新聞やテレビなどのマスコミにもとりざたされることが多くなってきました。
例えば、BSE(狂牛病)、鳥インフルエンザなどは、以前からよく耳にする機会がありました。また、最近ではエキノコックス症(北海道を中心にその汚染が拡大している寄生虫病)が埼玉県で捕獲された犬で感染していたという報告がありました。
犬や猫のペットに感染すると思われるズーノーシスとしては、狂犬病、回虫症、トキソプラズマ、エキノコックス症、Q熱、レプトスピラ症などが上げられます。これらは、当然人々の健康を脅かす危険があるものです。我々獣医師は動物の健康を守ることはもとより、人々(飼い主)の健康、公衆衛生上の問題として、多くの方々に改めて目を向けていただきたいと考えます。
そこで当院では狂犬病予防接種、混合ワクチン(伝染病予防注射)の普及に努めておりますが、今後、特に寄生虫病予防に一層力を入れていき、ペットとの幸せな関係のために定期的な駆虫(いわゆるおなかの虫くだし)をすすめて参ります。